「水の公子と失われた記憶」執筆メモ № 06

夏生たえのブログにお越しいただき、ありがとうございます。今回は持参金について。

アルフソン王国における持参金の慣習は、身分や家格によって大きく異なります。 それは単なる財産のやり取りではなく、家の誇りと、嫁ぐ娘の未来への補償が込められた贈り物でもあります。

公爵令嬢の場合

  • 金貨1,000〜3,000枚が用意されることも。
  • 金貨に加え、宝石・荘園の権利・儀礼品などが含まれることもある。
  • 持参金は、家の威信と娘の未来を守るための象徴。

伯爵家の令嬢

  • 金貨300〜800枚が一般的。
  • 添えられる品:上質な衣装、儀礼用の馬、銀器、家宝など。
  • 婚姻によって家格が変わる場合、儀礼費用が加算されることも。

男爵家の令嬢

  • 金貨50〜150枚が目安。
  • 刺繍布、銀器、家宝などの物納が中心。
  • 金銭よりも、家の歴史や手仕事の価値が重視される傾向。

商家の娘が貴族家に嫁ぐ場合

  • 金貨100〜500枚程度。
  • 商権、織物、契約書など、実利を重視した内容が多い。
  • 婚姻はしばしば、経済的な同盟としての意味を持つ。
  • 持参金の内容が、家の影響力そのものを示すことも。

農村の娘の場合

  • 金貨1〜10枚程度。
  • 家畜、保存食、布などの物納形式が一般的。
  • ささやかでも、家族の誠意と願いが込められた贈り物。

持参金が意味するもの

アルフソン王国では、持参金は婚姻の成立に欠かせない要素のひとつ。 特に貴族間の婚姻では、家の誠意と責任の証とされ、 これを用意できない場合、婚姻そのものが破談となることもあります。

持参金が用意できないとき

  • 相手の家からは、 「財政が傾いているのでは?」 「信用に足る家ではないのでは?」 と見なされることも。
  • その場合、代替案が求められることがあります:
    • 荘園の譲渡
    • 忠誠の誓約
    • 家宝の提供 など

「金貨の代わりに何を差し出すか」は、 新たな葛藤や交渉を生み、家同士の関係を揺るがすこともあるのです。

もしかしたら、この持参金の話題には、 読者によっては重く感じられる部分もあるかもしれません。

けれど、こうした設定の背景や意図を知っていただければ、 その場面に込められた感情や葛藤が、より深く響いてくるはずです。

物語の中で語られる持参金の話の奥に、こうした設定秘話がそっと流れていることを、 少しだけ心に留めていただけたら、嬉しく思います。

また、上記の金額から、 エマに対して公爵家から支払われた「支度金」がどれほどのものか、 お察しいただけるかと思います。

人の人生は、お金に換えられるものではないと分かってはいる。 それでも—— 直系の血筋を残さなければならない―――

金貨10,000枚。 それは、公爵家が示した、誠意と責任の重さなのです。

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